経済

関税ってなに?最近話題の「関税」の仕組みを簡単解説!

トランプ大統領が各国へ発令した「追加関税」。

トランプさんはなぜ関税を上げるのだろう?

関税の仕組みを理解すると、その謎が見えてくるんです。

関税ってなに?

関税は、一般的に「輸入品に課される税」として定義されています。

たとえば、

アメリカが日本に米を輸入するときは、日本から見たときに、
輸入品である米に対して関税がかかります。

アメリカ(輸入する側)→米(関税がかかる)→日本(輸入される側)

関税は、国や輸入品によってかかる税率が変わります

たとえば、

牛の生肉(冷蔵枝肉のみ表示)を日本へ輸入するとき
基本50%の関税をかけています。

ですが、
オーストラリアからの輸入では25.8%
EUやイギリスからの輸入では22.5%

と国によって関税率が異なります。

 輸入元関税率
通常(基本)50%
オーストラリア25.8%
EU・イギリス22.5%

  例:牛肉の関税率(冷蔵枝肉)

これが、チーズや貴金属などの輸入品によっても税率が変わります

関税は、「輸入品に課される税金」なので、通常は輸入者が輸入国の税関に対して支払います。

たとえば、

アメリカが日本に米を輸入するときは、アメリカが日本に対して関税を払います。

数字で表示すると、

アメリカが日本に米を輸入するときの関税が50%とすると

100万円分の米を日本に輸入する場合

アメリカは日本に対して約30万円の関税を払う必要があります。

計算方法

日本へ輸入する場合、海外の小売価格×0.6×関税率で計算。
以下の計算も同様に算出。為替の影響を除いて算出。

 

関税をかける理由

国内産業を守るため

関税がかかると、輸入品の値段が高くなります。

例えば、10万円のものを輸入するときに50%の関税がかかる場合、13万円以上の値段でないと海外企業は利益が出ません。

  • A国→B国へ輸入
  • 10万円+50%関税13万円以上の値段で売らなければA国の利益はない

※計算方法 を使用して算出。
※10万円×0.6×0.5=3万円(関税額)

そのため、輸入品の値段が高くなります。

国内で生産されたものには関税がかからないので、安い価格で売ることができます。
つまり、国内で作られたものを買うように自動的に促すことができます。

国内の製品が売れなければ、国内産業は廃れてしまいます。

そこで、国内品を安く、輸入品を関税をかけることで高くすることで国内産業を守っています。

関税の仕組み

関税は輸入品の価格に上乗せされます。

そして、その★コストは消費者に転嫁される★ことが一般的です。

というのも、

アメリカから日本に自動車を輸出するとします。

日本がアメリカから自動車を輸入する際の関税を10%から50%に引き上げた場合

530万円で買えるはずだった自動車が

650万円も払わないと買えなくなります。

 

アメリカ(輸入する側)→自動車→日本(輸入される側)

  • 関税10%‥530万円
  • 関税50%‥650万円(+120万円!!)
530万円で買えてたのに120万円上乗せしないと買えなくなる!!!(国民の悲鳴)

このように、市場に出回る品物の価格に転換されているので、関税のしわよせは消費者が負担しているのです。

現在、アメリカは関税の引き上げを行っており、アメリカの国民は輸入品を買うために、今までよりも高い値段で買わなければならなくなります。

関税のポジティブ面

  1. 国内産業の保護
  2. 輸出する側の企業力が上がる

国内産業の保護

先ほどお話しした通り、輸入品に関税をかけることで、輸入品の価格は高くなるため、国内で生産された商品の方が安く買える可能性が高くなります。

国内製品を国民が買うことで国内産業を守ることができます。

輸出企業の企業力があがる

どうにか海外に輸出して利益を出すために、企業は支出を抑える工夫をしたり、仕組みづくりに一生懸命励みます。
関税だけでなく、企業に対して向かい風が来た時に、どうにか企業を守らないと!と強く耐え抜いた企業は、企業の持久力をグンっと引き上げてさらに強くなると言われています。

関税のネガティブ面

  1. 国民の負担増
  2. 輸入される側の国際競争力が下がる

国民の負担増

先ほど伝えた通り、関税によって輸入品の価格が高騰すると、消費者である国民にその負担が転換されます。

そして、消費者の選択肢や購買意欲にも影響を及ぼします。

輸入される側の国際競争力が下がる

理由は閉鎖的になるからです。
国内で生産されたものばかりが購入されると、企業はそんなに頑張らなくても物が売れる状況になります。
なので、海外で奮闘する企業と比べると品質が落ちたり、サービスが落ちたり、もしくは成長性がストップするなどと国際的にみて企業の競争力は弱くなっていきます。

 

そのほかの貿易に関する協定

EPA

貿易の自由化に加え、投資、人の移動、知的財産の保護や競争政策におけるルール作り、様々な分野での協力の要素等を含む、幅広い経済関係の強化を目的とする協定を指します。

FTA

特定の国や地域の間で、物品の関税やサービス貿易の障壁等を削減・撤廃することを目的とする協定を指します。

出典:外務省

これらの協定により特定の国との間では、関税が下がったり、撤廃されたりすることがあります。

関税で得する人・損する人

関税で得するのは?

  1. 国内メーカー
  2. 政府

国内メーカーに関しては、国際的な競争相手が減り、物が売れるようになるためです。

政府に関しては、税収アップにつながります。

関税で損するのは?

  1. 消費者
  2. 輸入業者や小売業者

消費者に関しては、輸入品の物価が上昇し、購入する選択肢が狭まります

輸入業者や小売業者に関しては、輸入品の仕入れ価格が高騰し、利益を出しにくくなるためです。

なぜ関税を上げたいのか?

なぜ、トランプさんは追加関税を行うのか。

想定される理由は大きく2つでしょう。

ひとつは、アメリカで作られたものをどんどん消費者(国民)に買ってもらって、国内産業を活性化したいということ。

それからふたつめは、関税による税収アップで資金調達をするためでしょう。

次回は、トランプさんが追加関税をした結果、世界経済がどのように変化しているのか、現状を見ていきましょう。

 

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champaruly
初心者ブロガー【2023年4月に設立】■お金に関する情報を集めたい■よりよく生きたい■wellness思考に憧れる社会人