FPから見た
「世界的な株価暴落」
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2024年7月31日以降徐々に日経平均株価が下落を辿り、8月5日の午後2時50分過ぎには4700円以上値下がりし、大規模な下落を見せた。
5日の日経平均株価、終値は2日の終値より4451円28銭安い、3万1458円42銭となり、世界的に株価が暴落した1987年のブラックマンデーの翌日につけた3836円48銭を超えて過去最大の下落幅を記録。
この件について、いち一般FPとして経済情報を整理していきます!
2024年8月5日に日経平均株価が大暴落した主な理由
米国の7月、雇用統計結果が不調だったから
8月2日に米国が7月の雇用統計結果を発表。結果は「失業率4.3%」と予想よりも失業率が高かった。これにより米国経済の減退を市場が感じたため世界的な株価の下落に繋がった。
これが一番の原因のようです。
この情報をニュースで寝ぼけながら聞いていたわたしは、「あ〜株価下がるだろうな」と思い、その後割とすぐに株価の下落が見られたため「さすがだな」と投資家の情報収集力に関心しながらみていました。
日銀、植田総裁が追加利上げの可能性があると発表したから
7月31日に金融政策決定会合の結果、政策金利を0.25%程度に引き上げる追加の利上げを決定。
正直わたしは日本人なのでこのニュースを聞いて日本の株価が暴落したのかと考えていました。理由は円安が続いていたので日本の金利が上がることで円高傾向になる。さらに円高が進めば輸出関連企業の輸出コストが増大。となると「輸出関連企業の株価が下がるかな」というくらいにしか考えていませんでした。
また個人的には今まで円安の状況について言及をあまりされなかった植田総裁が円安について言及したところが何かの変わり目のように感じたのだと思います。
この前まで日経平均株価が40,000円台だったのに、5日に33,000円ほどになっていたので「すごく下がってるな!」と思っていたら、まさかのブラックマンデーのときよりも下がっていると知り、「結構な大暴落だったんだな」と感じました。
株価の変動はやっぱり心理戦説
株価の動きを見ていると、明らかに心理戦を感じる状況が続いています。銘柄や投資信託により株価の上下幅は違いますが、次の株価の動きを予測しながら見ていると投資家の心理が現れているように感じます。
日経平均で言えば、33,000円まで下がったら「買いたい」という気持ちになるのかなと。結局6日からは下落幅が減少、暴落への歯止めが見えるようになり「そうなるよな」と思いながら見ていました。
株価が下がるタイミングは買い時のベストな状態。しかし暴落状態で買うことは火に油を注ぐ可能性があります。わたしは株の値動きをじーっと見ていました。
この時にわたしが思っていたことは「下がり続ける状況を見届けてから買う」ということです。つまり、最終的に株価が下がり終わってから買う場合は行動するということです。
新NISAを始めた人の心理的負担は強い説
2024年から日本では新NISAが始まり、以前と比べ投資への関心が高まっている状態だったことが考えられます。今まで円安株高状態が続いていた日本では、新NISAから開始した投資家は投資に対して良いイメージを持っていた方が多いのではないでしょうか。今回初めて急落を経験した人たちの心理的負担は大きかったことでしょう。
ただし、新NISAのいいところは積立投資と成長投資が同時にできるようになったこと。成長投資だけを行っていた投資家は投資していた額が大きいほどダメージを受けたことでしょう。積立投資だけを行っていた投資家は頑張って投資に回していたお金が減ったということでのショックが大きいことでしょう。
この経験から言えることは大暴落時の心理的負担を軽くするために、積立投資も成長投資も行うなど投資方法の分散も必要だということです。さらにはリスク許容度の見直し、生活防衛費の見直しも行うと良いでしょう。
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ニュースで「株が気になって仕事に身が入りません!」と言っている方がいましたがこの方はリスク許容度を見直す必要があるのではないでしょうか。
発動したサーキットブレーカー
「サーキットブレーカー」という言葉を今回の下落で初めて聞きました。調べると「先物価格に急激な変動があった場合、取引所によって一時的に取引の中断が行われる措置」(松井証券から引用)と書かれていました。文字だけでは「ふーん」としか思いませんでしたが、ニュースで聞くと「先物の動きを止めて株価が下落しまくるのを一旦落ち着かせる」というニュアンスでした。
ただ、今回の株価暴落はサーキットブレーカーだけでは止められなかったようです。サーキットブレーカーが発動したことに対して、証券マンが「ここまでの対応が必要な状況だったんだな」と珍しいことのようで驚愕しているのを見て、「やっぱり今回の暴落は一大事だったんだな」と面白みを感じました。
日銀がハト派の意見を出してきた
その後、8月7日に内田副総裁が参加した金融経済懇談会に先立ち講演テキストが公表。その内容がどうやら「ハト派の意見を出している」らしい。
ハト派ってなに?と思い調べてみると「緩やかな視点で考えていく」という考え方のことらしい。7月31日の会見で利上げを言及していたが、「やっぱり株価の乱高下がすごいからそこをあまり刺激しないように調整していきますよ」的な視点なようです。
逆に鋭く切り込んでいくという考え方は「タカ派」というらしい。
損切り設定などAIの影
今回、世界的な株価の暴落があったが、特に日本は株価の下落が激しかった。その要因として、新NISAにより日本人が投資に関心を持つようになったこととAIの発展が関与していることが考えられる。
というのも、新NISAにより日本人投資家の母体数が増加。さらに最近見かけるAIを使った損切り設定により働きながら投資ができるスタイルが確立。その影響により株価が下がった時に損切り設定の発動が多くなり、日経平均株価の下落が大きかったのかなあと。
ストップ安がかなり発動する事態となったようだが、買い手がいなければ売りたい株を手放せないのが市場の流れ。今回はほとんどの銘柄で下落を見せたことで、市場全体的に買い手が見つからず持っている株のどれかだけでも売りたいと思った人が多かったため、大暴落につながったようにも感じる。
こんなに売りたい人ばかりな状況見たことなかったので記念に取っておきました。そんな中でも下記のように買付したい人100%の銘柄があるという状況が7日に生じていました。
このように株式を売却することで市場に出回るお金を減らし、現金を個人や企業の手元に残すように金融引き締めが行われていくんだとまざまざと実感した動きでした。
辛い、追証多発の信用取引
最近は日本において投資への関心が高まり、デイトレーダーがメディアに露出する機会も増えている。デイトレーダーが仕事として行う投資は基本的に信用取引。信用取引は自己資本以上の取引ができるレバレッジ効果があるため今回の大暴落では追証が必要となったケースも多いようだ。追証とは信用取引を行う上で、委託保証金が「最低保証金率」を保つために必要な額を下回った時に不足分の保証金を追加すること。(楽天証券より引用)
信用取引は元々リスクの高い投資方法として有名である。だからといってデメリットばかりではない。自分の投資に対するリスク許容度を見つめ直す機会となったのではないでしょうか。
まとめ
2024年8月5日に日経平均株価が大暴落した主な理由
- 米国の7月、雇用統計結果が不調だったから
- 日銀、植田総裁が追加利上げの可能性があると発表したから
株価の変動はやっぱり心理戦説
- 株価暴落時の投資家心理を読むことで買付のタイミングを判断する
新NISAを始めた人の心理的負担は強い説
- 暴落時の心理的負担を軽くするために、投資方法の見直しをする
- リスク許容度と生活防衛費の見直しをする
発動したサーキットブレーカー
- 株価下落時の国や金融機関の対処法を確認することで下落の大きさや投資家としての対処法を見つける
日銀がハト派の意見を出してきた
- 数日前に利上げすると言っても経済状況に応すぐに変更することがある
- 政府の動きをチェックすることで今後の経済動向を予測する
損切り設定などAIの影
- 投資家心理だけでなく、最近の金融機関が提唱しているシステムが株価の変動に絡んでいる可能性があることを知る
辛い、追証多発の信用取引
- 信用取引を行う場合はリスク許容度は慎重に設定する
滅多にない経済の大変動。今後も経済動向を分析することで楽しみながらお金の勉強を続けていきたい。日本の皆さんがお金の知識を増やし、諸国に負けないマネーリテラシーをつけられるよう支援させていただきます。